大切な大切な宝物
「・・・・・・」返ってくる言葉が待ち遠しい。「返事聞かせてもらえるかな?」「・・・うん。ゴメン・・・。俺は・・・」えっ・・・。あたしは少し自信があった。返ってきた言葉はゴメン・・・。もうおわりじゃん。あたしは失恋したんじゃん。最後まで話しを聞きたくない。そんなの当たり前か・・・。「俺は・・・。遠距離恋愛をしているんだ。でも最近あまり会ってない。だけどあっちはまだ信じているかもしれないんだ・・・。だから今は・・・ゴメン」「あやまらなくていいの。あたしがただ単に好きなだけ。徠希くん・・・。あたし・・・がんばってあきらめるよ。あきらめられなくても・・・あきらめるよ・・・」あたしはそこにいるのがつらくなり走った。どこに向かっているのかはわからない。でも悲しくて心がものすごく痛くて・・・それで前を見ず、走り続けた。こんなに走ったのはとっても久しぶりだった。今までの新記録かもしれないほどあたしは思いっきり走った・・・。気がつくと・・・。ここは小さい頃よく遊んでいた公園だった。「悲しい時はいつもここに来ちゃうんだよなぁ・・・。久しぶりに来たよ。今日は最悪な日だけど久しぶりがたくさんあったな・・・」初めての事だってあった。失恋ってこんなに悲しいんだ・・・。こんな思い・・・初めてだよ。それは徠希くんが全て経験させてくれたんだよね。徠希くんに出会って初恋をした。告白みたいな事ができた。悲しい思いを知る事ができた。そして今こうしてあたしが考えられている。徠希くん・・・。ありがとう。徠希くんに出会えてよかった。でも今のあたしには・・・徠希くんに会えないよ。クラスは一緒だけど話しかけない。また一緒に会おう。