オレンジ色の涙
これだけは言われ続けても慣れない。


普通の人から見れば変わってることだろう。


でも、うちはこれが普通。


これが当たり前。


いくら暴言を吐かれても、文句は言わない。


・・・言えない。

   ・   
この人達のご機嫌を取る。


・・・とらなければいけない。


「そっか・・・。うん、わかった。」


へらっと笑ってそれだけ言って、階段のところに行く。


すると聞こえてくる楽しそうな会話。


「お父さん、さき…おはよう。」


お父さんは、あたしの顔を見た瞬間表情を硬くして足早にリビングに行ってしまった。


もちろん、あたしのことは無視。


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