イケメンなんて、大嫌い!
最悪な日
[梨緒side]
笹原高等学校―――――――
私、疾風梨緒(はやてりお)は、今年の春、めでたく
高校生になりました!!!
うわー、うれしいなぁー!と喜ぶ気持ちとは裏腹に
心配事も…。
実は大の男嫌いなの!!!しかもそんなくせして…、
「あぁー!今月、RIRIのCD発売じゃん!!」
「ほんとだ!しかも、限定発売でしょ!?絶対予約しなくちゃ!!」
…、あ、そっか。もう発売なんだ。私のファーストアルバム、[初めての音]。
「って…聞いてる?梨緒!」
ここでそんなことを考えていた私の頭に、初めて初音の声が届いた。
「へっ!?ああ、聞いてる聞いてる!!」
「もー…自分のC-っもがっ!!!」
「何かいったかなぁー!?初音ぇー!?」
すばやく私は、初音の口を手で押さえた。
「だにもいっでまぜん!!!!」
「だーよーねー?」
私の顔は、今最高に引きつった笑顔だろう。
そして、今まで抑えていた手をどけた。
「ぷはぁっ!!!あんたは私を殺す気か!?」
「だって、完全に今のは初音が悪いし。」
「…てへっ?」
「いや、ごまかされないからね?てへっ?とかかわいく言ってもだめ。」
「ちぇー…、ってか別にいいじゃん!」
私はすかさず初音に質問する。
「何がいいの?」
「だからぁ、ばれても☆」
いやいや、☆つけたからって良くなるわけじゃないからね?
初音の答えに私はつっこむ。
「ダメに決まってんでしょーがっ!!!!」
「やっぱり?じゃないと、変装なんてめんどくさいことしないもんねぇ。」
「当たり前!」
まったく。初音は…!!