血溜まりの中で…眠る。
∽暗闇∽
《カァカァカァカァ……》


暗闇の中で、遠くからカラスの鳴き声が聞こえて、飛び交う。

【コツコツコツ…】
コンクリートの地面に、冷たぃヒールの足音だけが響く。


【コツン……】《ピチャ…》


水溜まりの中心には、血生臭ぃ塊が横たわったいた。


カラスに、ついばまれて服はボロボロ…内臓も所々、見えている。


「フッ……」


どうやらコイツは、このビルの屋上から飛び降りたのだろぅ……。


馬鹿な奴だ、無駄なことをして……。



ゾロゾロ……と、ビルの隙間から現れたのは人間でも動物でも無ぃ醜ぃ魔物。


コイツらの餌は…人間の抜け殻…つまり死体だ。

魔物は、長ぃ舌を口から出すとベロベロと死体の血を舐めだした。



私は目を背けて、その場を後にした…。



人間は、粗末な生き物だ。
命を簡単に捨てるなどとは…コイツらの餌になってしまえばぃぃんだ。


「ククク…」


暗闇に溶け込むように真っ黒な翼を広げると、空高く舞い上がった。



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