血溜まりの中で…眠る。
「ルキト」
私は、その男の名を呼んだ。


「ヨキハ、どうした?」


「最近、魔物が暴れているそうだな。まぁ、あんだけ死体が出れば仕方の無ぃことなのだが…」


「俺達は、あの死体を食して生きているんだ…我々に取っては、嬉しぃくらぃだがな」


私達の食糧は…自殺した人間…。
色々な奴を見てきた。


「ホラ…喰え。」
そう言ってルキトが差し出したのは、人間の片腕だった。


まだ死んだばかりなので、鮮血が滴り落ちている。


「有り難く、頂くよ」
かぶりつく私を眺めながら、ルキトは呟いた。


「今日のは、血まで甘くて美味しいぞ。」
口元を血で真っ赤に染めて、ニヤリと笑ったその姿が、とても美しかった。

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