エングラム











一学期の学校、最終日。
暑い熱い体育館にて長い話を聞いた。
          、、、、
夏休みの間の生活まで有り難いことに指導してくださる。

禿げてないから特徴のない校長の話より、各学年の代表生徒の二学期も頑張りますスピーチの方が長い。そして飽きる。

やっと終業式が終わって教室に移動。

成績表を貰う。
担任が夏が勝負だと耳にタコを作らせる。

そんな一連の動作。


休み時間になって──軽い休憩時間だが──ピアノを弾きにでも行こうかと立ち上がった。

「シランさん成績表見せてぇーっ!」

クラスの女子が三人、私の机の中に手を伸ばしてきた。

特に親しいわけでもないから──私が距離作ってるから──私はクラスの子からはさん付けだ。

「ひぃいいっ!いや成績悪いから!」

自分でもまだ中を確認していない。
阻止しようとしたが呆気なく奪われ、頭を抱える私を横目に彼女たちはジロジロと見る。

何か馬鹿にされたらどうしようとか内心焦る。

が。



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