エングラム



ユウは口を閉じて、私の横に立った。

「ごめんね、僕は音から離れたい」

ケイは自分の包帯が巻かれた腕を見た。


何も知らず、寝息をたてる私に、ユウが手を伸ばした。


冷たい手が額に当たる感触。



遠く、それを感じた。







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