エングラム
「…これ、…この曲だ…」
そう気付いた。
楽譜の束の中には、シランへ、と書かれた封筒も混じっていた。
──…ああ、オウ兄の文字だ。
出てきていた白い封筒の封を、歌声におされるようにして開いた。
「──…これも…?」
控えめに柄の入った便箋が、二枚。
そのうちの一枚は、英語。DESPERADOの歌詞。
もう一枚は、それの訳のようだ。
私が書いたのだろう訳と、照らし合わせた。
少し、動揺しながら。