エングラム
普通そこで四人でクラスペディアに、とか言うものでは。
そう思ったが、予備軍の意味も彼の意図も分からず黙り言葉を待つ。
「とりあえずシランちゃんにベースを教えたい、ってこと」
言葉に困りシイを見た。
何か声を掛けてくれると思ったが何も言われなかった。
次いでユウを見た。
「彼は彼の考えがあるんですよ」
そう言われて、それが全く分からないと、それが当たり前なのにそう感じる。
「はっきり言おう。未来のクラスペディアの為に」
未来が見える少年はそう言った。
「………」
私が何も言えないままだと、ケイは私に説明する。
「例えばシランちゃんがチョコとイチゴでアイスが選べるとする」
「はい」
相槌を打つ。
「僕はチョコを食べた時のリアクションとイチゴを食べた時のリアクション──それぞれが分かるんだ」
つまりと、ケイは言い換える。
「選択の結果の枝分かれした未来をそれぞれ見られる」
言葉は続く。