エングラム







一週間経って、土曜日が来た。

待ち合わせは午後二時。
だが私は一時に着くように自宅を出た。

「張り切ってるみたいかな…?」

思わず独り言が出てしまったが、気にせず電車の窓から外を見る。

荷物が重い。
だが彼らに会えるのが楽しみで、あしどりは軽い。

駅を出て、あのビルへ向かう。

通り過ぎる人々が時折──私の背負うベースが入ったケースを見る。

手には楽譜を始めとする諸々が入ったバック。
 カム トゥゲザー
Come Togethrを弾くときのテンポで歩いた。



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