花龍
「俺は女を好きになった」
「うん」
「でもあいつは俺じゃなく
幹部な俺の女でいたかった
だけだった」
「うん」
「群がるような女とは
ちがうと思ってた」
「そっか」
「後から聞いたら
自分の仲間に襲わせたんだと」
「うわを」
「それから女が
信じられなくなった」
「うん」
「そしたら
「わたしが女嫌い直してあげる」
て、女がまた群がってきた」
「うん」
「そのなかに
何回拒んでも俺に構う女がいた
「わたしは裏切ったりなんて
しないよ?」
「もう一回信じてみてよ」そう言われた」
「…」
「また裏切られるかも
しれねぇと思った
でも自分で思ってる以上に
あいつに好意抱いてた
だからもう一回
もう一回だけ信じてみようと
思ったんだ」
「そっか」
「でもあいつは
俺に好意持ってたんじゃなくて
健人だった
いや総長だった」
「うん」
「そいつは健人に告って
振られたんだ」
「そう」
「だから俺じゃ健人の代わり
にならないか?て聞いた」
「うん」
「「笑わせないで
なるわけないじゃない
あたしは総長である
健人くんが好きなの」
ああ、こいつも結局
他の奴らと変わらない
俺の中身は見てくれないんだと思った」
「だから女嫌いに?」
「ああ、
女嫌いてか女信じれねえ」
「そっか」