最後のわがまま 〜かけがえのない八日間〜
【8日目】
目を覚ますと病院のベットで
横たわっていました
口には酸素マスクがつけられ
体が管だらけになっていました
もう手も足も体も
まったく感覚がなくて
動きませんでした
耳も聞こえず
かろうじて目が見えるくらいでした
ベットの横に目をやると
たくさんの人が私の病室に
集まっていました
両親や先生
クラスメイトのみんなと
私の好きな人が来てくれていました
みなさん今までありがとうございました
子供の頃から
治る見込みのない病気を抱えた私に
本当に優しくしてくれて
ありがとうございました
佳代ちゃんは私が声を掛けると
私の事を想って
返事が出来ないほど泣いてくれて
ありがとうございました
優しい涙をありがとうございました
先生は病気の私を特別扱いしないで
他の生徒と同じようにあててくれて
ありがとうございました
病院にずっといて
勉強についていけない私が
答えられるように
授業の時間いっぱいまで使って
わかりやすく教えてくださり
ありがとうございました
美咲ちゃんは体育の授業の時
男子が打った野球の球が
私に向かって飛んできた時に
突き飛ばしてくれて
ありがとうございました
私をかばったせいで
美咲ちゃんの頭に球が当たって
血がポタポタと垂れているのに
笑顔で私は大丈夫だからって
言ってくれて
ありがとうございました