洒落にならない怖い話
話は飛んで高校を卒業後、私はなんとか都内の私大に進学した。


東京は実は生まれて初めてであり、サークルやらバイトやらで結構舞い上がって生活していた。


東京になじんで数年。


同じく東京に出てきていた高校時代の友人達と一緒に飲む機会があった。


そこでAの近況を久しぶりに聞かされた。


Aのことなど、そのころはとうに忘れていたのだが・・・


Aは三浪の末、東京近郊のある私立大に入学したという。


決して成績は悪くなかったはずのAの落ちぶれぶりにちょっと哀れみをおぼえたが、その後に意外なことを聞かされた。


Aはオ○ム○理教に入信したという。


えっ?


・・・Aは尾崎豊のファンだったんじゃなかったか?


Aの実家のほうでは、Aを脱会させようといろいろ手を尽くして大変なことになっているという。


Aの実家は真面目な公務員か銀行員かそんなんだったはずだが・・・


ただ、当時はオ○ムは一般にはちょっと風変わりな新興カルトくらいの認識だった。


まだ、例の事件の数々が世間に知れる前であった。
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