洒落にならない怖い話
俺たちは黙って顔を見合わせるしかなかった。


斎場を出て各々携帯を調べたら確かに同時に着信があった事がわかった。


それも非通知。


非通知着信拒否設定も意味がなかったらしく、女の子の中にはパニックに陥る子もいた。


喫茶店に入って、これまでの事を話し合った。


飲み会に来ていなかった連中に説明をしたり、逆に俺たちが知らなかった他の事件について教えてもらったり。


結論として、亡くなった彼女はかなり不気味な存在であることが判明した。


俺の知ってる彼女は内向的。


おとなしく、どちらかといえば地味。


控えめな人好きな友人のチョイスなので、あまり気にはかけなかった。


飲み会でも喋らずに黙々と飲んでるタイプ。


ブスでも美人でもない。


というか、印象が薄くてすぐに忘れてしまうんだ。


覚えてるのは貝殻が好きだった事。


いつか、店先でインテリアの貝殻を手にとって耳にあてていた。
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