不思議の国のお伽噺。




シェルスさんに誘われ、私は城に向かっていた。


その間に、シェルスさんが言っていたことを思い出す。







『姫様は今…、16歳の誕生日を迎え、魔女の呪いで眠っております

今が一番大変だといいますのにね…。



切り裂き事件は、ほんと…一週間ほどから始まりました。


短い間でたくさんの殺戮


町の民は恐ろしく感じ、昼でさえ外に出ることをためらいます』






シェルスさんは私たちを応接室へ通し、消えた。



私たちは真ん中のソファへ座り、呆然としてた。




今までの物語は、最初に姫と出会ってから、どんどん歪んでいく物語だった。



でも今回は。



最初から姫に出会うことできないの?




初めてのパターンに、少しだけ動揺していた私に、チェシャ猫は目を向けた。











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