不思議の国のお伽噺。
「アリス」
「な、に?」
「アリスが思い出した記憶と、姫の歪みの真実を照らし合わせたとき。
君はきっと…」
「おまたせしました」
チェシャ猫の話は、シェルスさんによって、遮られた。
いったい…何を言おうと?
前を見ると、そこにはシェルスせんがいた。
「まず初めに…お帰りなさいませ、アリス様」
シェルスさんの丁寧な態度に、私も返す。
「こちらへ」
それを合図に、扉が開き私たちはシェルスさんについていった。
ある扉の前で止まり、扉を開く。
息をするのも許されないような空間。
静寂が、私たちを包み、支配する。
「アリス様、あの布団の場に、姫様がいます」
大きなベッド。
私は足を進め、覗き込んだ。
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