不思議の国のお伽噺。
二日後…。
私は物陰に隠れて眠り姫が眠る部屋を見つめていた。
…チェシャ猫がそうしろといったから。
すると。
夜中の十二時の鐘がなると同時に、その部屋の扉は開いた。
「あッ…」
つい声を上げてしまいそうになるが、必死に手で押さえ込んだ。
その部屋から、ネグリジェを引きずり眠り姫は出てきた。
「ふふふ」
眠り姫は妖しく恐ろしく笑い、館の廊下をゆっくりと歩いていった。
館から出て行きそうになる彼女に置いていかれないように、私は急いでついていった。
.