不思議の国のお伽噺。
sp.5 私を作り出した、あなたへ。
眠り姫とは、あまり話ができなかった。
でも、眠り姫は私に、ヒントを与えた。
その言葉は、私の頭のなかを、ぐるぐると、回り続けた。
〝貴女が作った私の最期〟
これは、一体?
そのあとは、いつも通り皆光となった。
朝が来たら、この町の様子は、昨日の冷えきった町と違い、とても賑やかな様子になっている。
「アリス、疲れた?」
「…。少しだけ。
でも大丈夫。」
チェシャ猫と、少しだけ会話。
「…、そうだチェシャ猫」
「なぁに?」
「私はチェシャ猫をあだ名で呼んでいなかったの?」
「うん、アリスはチェシャ猫って呼んでたよ」
「ふーん…」
その話をした瞬間、私に急激な眠気が襲った。
え?
「アリス…?」
チェシャ猫は、倒れる私を不思議な目で見ていた。
そして私は、床に倒れる前に眠ってしまった。
そして新たな、記憶の旅へ。
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