不思議の国のお伽噺。
「君の父君は、国を治める、偉大な王。
もっと言ってしまえば…」
『遊んでぱぱっ!』
『もちろ『王!隣国の王が親睦を深めに参りましたぞ。』…すまないアリス』
「この全ての国をまとめる王…。
世界で一番偉い王
だから、いつも忙しかった」
レイは、私の耳元で棘のある言葉を何度も呟く。
『ママ、ママ』
『なあに?アリス』
『絵本、読んで?』
『クスッ、いいわ『王妃、王がお呼びです』…すぐ行きます、ごめんねアリス』
小さい私は、
父の後ろ姿を、人形をもって見つめ
小さい私は、
母の後ろ姿を、絵本を抱えて見つめてた。
「アリスは小さい頃から、父にも母にもあまり相手にしてもらえなかった。
いや、相手にできなかった
でも、幼いアリスはわからない、わかるわけない」
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