不思議の国のお伽噺。
レイは、妖笑を浮かべて、私を見る。
「君は皆に愛されてることを自覚するべきだよ。
君を生んだ、ご両親も。
君を愛していることは変わりない。」
「…うん」
「これから、自分の事を思い出す日が来たなら。
両親たちに思ってることを、改変するんだよ。」
「……うん」
「アリス、最後に。」
視界がぐにゃりと歪む。
レイも。光に消えていく。
「君はまだ一人。
思い出してない人がいる」
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