不思議の国のお伽噺。
「私が、悪いの…。いつもいつも勝手に…私が、悪い、の
いつも、悪いのは私。
チェシャ猫は、私の代わりに罪を被っているだけ…」
私が、途切れ途切れに彼らに言うと、彼らは悲しそうに私を見つめる。
「アリスはいつも猫ばかり」
「猫を一番に考えて、僕たちを全然見てくれない」
「猫がいつも攻められるのはアリスのせい。」
「アリスが猫ばかり見てるから。」
「僕たちを全然見ないから。」
「だからアリスを愛しく思いすぎるやつらは、」
「アリスに一番近い猫を、貶める」
「「わかる?この意味」」
双子の声が嫌になるくらい耳の奥に響く。
「「アリスが猫を贔屓するから、猫がどんどんみんなから嫌われる。」」
「みんなアリスが好きだから」
「アリスに贔屓されたいから。」
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