不思議の国のお伽噺。




やっぱり、全て私のせい。



「かくゆう僕らも」



「アリスのことが大好きだから」



「「猫が大嫌いだ」」



怖いぐらいに無邪気な笑顔で、彼らはいい放つ。



「まあいいや。」



「とりあえず、ようこそ」



「「ゆかいな、お茶会へ」」



二人が、手を出した先には、外のバラの塀にも劣らないとてもきれいな、建物。大きい孤児院。




「アリス。行こう」



「うん…」



気のせいだろうか。
心なしか、チェシャ猫は急いでいるような気がする。



そして私はチェシャ猫の腕の中で、消えそうになる意識と戦う。すると、その途中に双子は私に囁いた。



「アリス、気をつけて」



「猫は平気で嘘をつく」



「どんなに辛いものでも」



「それが、真実なら」



「「痛くても、苦しくても立ち向かって」」



私が二人を見やると、二人は驚くほど無邪気な笑顔を浮かべていた。











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