不思議の国のお伽噺。





「その言葉を…



待っていたの…」




ニタリと笑い出す、かぐや。



私の瞳からは、もう数え切れないほどの涙が流れていた。






もう、いっそ殺してしまって。



あなたたちを縛る私を消して。



そして、自由に生きて。






かぐやの手には、血のこびりついた鎌。




ああ、その鎌で、私はやっと自由になれる。



私とあなたたちを縛る鎖が切れる。






あなたを、開放してあげられる。










「ごめんね、かぐや…



分かってた…のよ



全部、私のせい…だか…ら




私から離れて…自由に、なって…



おねが…私を、ころして…」





私が今できる、精一杯の笑顔。

それであなたを縛る鎖をときましょう。






あばたが自由に生きるために・・・







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