不思議の国のお伽噺。





「アリス、私はね


ずっと貴女が」




かぐやの瞳を見つめ続ける私。

両手で握る鎌がカタカタと震えている。




「あな…たが…っ!!」




赤い色の瞳から、光が無くなっていく。

私は、光の消えていく瞳を不思議に思い見つめていた。





「ずっと…ずっと…!!!!!」






そしてついに、かぐやの瞳から涙が溢れ出した。







私は、目を見開く。










「やっぱり、こんなことできないよ…!



アリス…!」







今まで狂ってきた皆に共通していた、赤い目。
それが消えて、深い紫の瞳に戻る。





その瞬間、かぐやは私の胸の上に崩れ落ちた。








「あああああっ…!!

アリスゥ…!!!


ふうううっ!


ごめんね…私やっぱりできないわ…!!


あなたを嫌いになることなんて…!!!


できない…!!!」









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