不思議の国のお伽噺。









「…レイ…?」







目を覚ますと近くに誰かの影。
私を見下ろスレイのかお。



私は寝転んでいるため、フードの中のレイの顔を少しだけ見ることができた。


私を無表情で見下ろし、冷たく光る赤い瞳が私を射抜く。















「…………愚かなアリス。



またウサギの言葉に踊らされるか。」

「え…」

「お前は人を疑わなすぎだ。


なぜそこまで人を信じる。なぜ、人を疑わぬ」









口調が違う。



レイ?
本当にあなたはレイなの?












「…疑う、ことなんて…できない


私は、この世界に…悪い人がいるとは思えないもの」











寝転がり、レイを見上げると、レイは静かに笑った。













「愚かなアリス。



だがそんなアリスだからこそ…俺たちは好きになった」















その言葉を最後に、私の回りは形を変えてった。
















『愚かなアリス…どうか、



どうか君だけは綺麗なままでいて』
















消え行く途中に、声が聞こえたのは気のせいかな…?



















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