不思議の国のお伽噺。
放課後
ある程度の記憶を手にいれた私は、重い足を動かし家にかえる愛莉についていこうとする。
『光輝ー、かーえろーっ』
『…わり!俺担任に呼び出し食らってる!』
『えぇ?何したの?待ってようかー?』
『時間かかりそうだしいいよー』
ひらひらと手を降る光輝。愛莉はそれに答えて手を振り、教室を出ようとしている。私はそれについていこうとした。
−−−−−−−−−−−…チリン
後ろから聞こえる鈴の音。
『−−−−アリス、君の記憶は、もっと深い闇の中
僕たちは、そんなアリスを支えるためにいるんだ。
だから、お願い。
ウサギは、ウサギは信じないで』
泣きそうに歪む声。私はピクリと動き後ろ目にチェシャ猫を見る。表情が読み取れずに困ったが、私は笑った。
「ありがとう、チェシャ猫…」
結局私はいつだって
皆に守られて生活している
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