不思議の国のお伽噺。
rp.3 あかずきんとの出会い。
歩いていく、女の子。
花柄の、農家の人が被っているような帽子をかぶり、赤いボレロを羽織り、花柄のワンピースを着ている。
片手には、茶色いかごを持っていた。
「チェシャ猫っ!!もしかしてあの子って!!」
「あかずきんだよ」
やっと…見つけた。
そんな達成感に胸が踊った。
さっきの深緑の彼や、メロヘンで言われて考えてたこと。このときだけは、全部忘れられた。
苦しく、もどかしい思いは、消えていた。
「チェシャ猫、声…かける?」
「好きでいいよ。」
「じゃ、じゃあ、かけてもいい?」
「いいよ」
チェシャ猫から承諾をもらい、童話の中の彼女と話をしにいった。
「あ、あの…っ!!」
振り向く。
時間が、スローモーションのようだ。
「…アリス?」
…………気付くのはやくね?
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