不思議の国のお伽噺。
「お…ばあさまっ!!!!!!」
あかずきんは口を手で覆い、泣き叫んだ。
「君のおばあさんだったのかあー
ごめんね~
まぁ…世の中強いもの勝ちだし?」
「やめて…」
「仕方ないよね、人間よりはオオカミのボクのが
「やめてやめて…!!!」
「ツ ヨ イ カ ラ サ」
「いやぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!!!!!!!!!」
地面に突っ伏すあかずきん。
私は、目を閉じて顔をそらしたかった。
辛いよ。
泣いているあかずきんを見るのも、鮮血に染まった小屋を見るのも。
もう、終わりにしよう。
声をかけに行こうとした私を、チェシャ猫が止めた。
「まだ、終わりじゃないよ」
その言葉に、私は動けなくなった。
…これ以上何を見ろって…『ぎゃぁぁぁぁぁぁあああぁぁぁああぁあ!!!!!!』
オオカミの叫び声が響いた。
どうして…?
チェシャ猫を見ていた目を、ゆっくりとあかずきん達へと向ける。
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