不思議の国のお伽噺。
オオカミにぴったり密着した、あかずきん。
「ダレがツヨイって?
敵に背中見せるなんて…だっさいねぇ?」
ぴったり密着し、耳付近で息いっぱいに囁く。
あかずきんは、少しオオカミから離れた。
すると、オオカミは、膝から崩れていく。
目を凝らすと、あかずきんが握っているモノが目に入る。
ソレは、ナイフだった。
うつ伏せで倒れたオオカミを、一生懸命ひっくり返すあかずきん。
狼はもう、虫の息で…何も言えない。
そんなオオカミに、休むことなくナイフは降りかざり、あかずきんは、紅く染まっていく。
「何がツヨイんだよ!」
グサッ
「簡単に刺されて死んで!!!!!!」
グサッ
「バカじゃないっ!!!!!!」
グサッ
「こんなやつにっ!!!」
グサッ
「こんなやつにおばあさまがっ!!!!!!」
グサッ
「堕ちろっ!!!!」
グサッ
「地獄でもがけぇぇぇええぇぇえ!!!!!!!!!!!!!!!」
息を乱し、涙を流すあかずきんに、私は近寄っていった。
「もう…終わりにしよう?」
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