不思議の国のお伽噺。



「…は、はい」



つい敬語になってしまった。
すれば、シンデレラは下を向いた。


いや、童話の中の姫様皆と話してはみたかったけど、何かこのシンデレラと話すのは、後3日位かかりそうなんだって!
それくらい威圧感強いの!

下を向いたまま、顔を上げない。
…どうした、のかな?
……今の口に出てたとか!?



「どうし「アリスゥゥゥウ!!!!!!!」



シンデレラは、泣きながら私に抱きついてきた。



「あの日から会えなくて寂しかったんだよーっ!!



うわぁーんっ!!」



ち、力強いっ!!!


体がメキメキと言わんばかりに、シンデレラは私を締め付ける。






「し、シンデレラさんっ…く、るしいっす!」



苦し紛れに出た言葉。
シンデレラは、ぱっと手を離した。


私は少し咳をして、シンデレラを見た。


すると、シンデレラは、口に手をあて目を見開き、私を見ていた。

とても悲しそうに。




「(ボソッ)そうか、本当に記憶がないのか…」



「へ…?」



「あ、いや…

や、やだなァ、前みたいにしーちゃんって呼べよっ!!」



最初は、凄い難しい顔してた。



…私は…。




この世界にきてから、人に苦しそうな顔しかさせてない。






「ほら、アリス!


笑いな!」



「え?」



「久しぶりに会ったんだ、アタシの好きなアリスの笑顔を見せてくれよ!」




シンデレラに強引に顔をあげられた私。

涙ぐんでたけど、笑えと言われたから、私は、必死に笑顔を作った。











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