不思議の国のお伽噺。
「ありがとう、しーちゃんっ!!!」
私の口からは、驚くぐらい自然に言葉が出た。
そして自然と身体が動き、私はしーちゃんに抱きついていた。
「!、まァな!
何年もダチやってねェぜ!」
シンデレラに抱き締められると、落ち着いた。
自分自身の行動に、自分で心底驚いたが、結果はオーライだろう。
「とりあえずうち入れや、秘密でかくまってやるぜ」
しーちゃんが手招きした。
わたしもチェシャ猫と一緒に行こうと思って、笑顔で後ろを向いた。
すると、チェシャ猫は、今まで見せたことのないような
とても穏やかな笑みを浮かべていた。
どんなに姿は変わっても、シンデレラは、憧れになれる。
口が悪くても、目付きが悪くても、言ってることとやってること。
私にはすべて優しく、かっこよく見えた。
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