不思議の国のお伽噺。
「えっ!」
ビックリして手を引っ込めようとすると、逆に手を引かれ、チェシャ猫の胸に倒れ込んだ。
端正な顔立ちが上にある。
は、恥ずかしい…。
「起きてるんなら言ってよね…」
「なんで盗撮したの?」
「だ、だって…チェシャ猫が可愛かったんだもん」
そう言ってそっぽを向く。
起き上がろう。
そう思うと、耳に何かが這う感触。
「え?ちょっ…ひゃぁっ!」
くすぐったい。
チェシャ猫が、耳元でささやいた。
「男に可愛いは、ダメだよ…アリス」
私がチェシャ猫の方を向くと、チェシャ猫は、にっこり笑ってた。
…ちょっと好奇心で、チェシャ猫の顎の下をさすってみると、チェシャ猫はゴロゴロと喉をならせた。
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「はぁーっ!」
「どうしたの?しーちゃん」
あれから、私も寝てしまい、起きたら、しーちゃんが椅子に座ってドレスを縫っていた。
だから私も起きて、向かいの椅子に座った。
「いやァよォ、縫うのがめんどくさくなっちゃって…」
「あはは、そっか」
チューチュー!
私たちが話してると、下から鳴き声がした。
ネズ、ミ?
「ったく、オラ!
出ていかねェとてめェら捕まえられんぞ!」
チュー!
「なに言ってもダメだ!」
チュー…
「生き長らえてェなら、せめてうまく隠れろ」
チュー!
「分かったらさっさと行きやがれ」
チューチュー!
…この子ネズミと会話してる!
…やっぱ優しいなぁ…。
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