不思議の国のお伽噺。






メイドの言葉は、私の心に強く響く。





なぁ神様。


アタシは、私の裏の人間で


表の私と、まったくの正反対だよ



表の私は、清楚で。
だから裏のアタシは、ガサツで。

表の私は、気が利いて。
だから裏のアタシは、気が利かなくて。

表の私は、性格よくて。
だから裏のアタシは、性格悪くて。

表の私は、何でもできて。
だから裏のアタシは、なにもできなくて。

表の私は、素直で。
だから裏のアタシは、ひねくれもので。



こんなアタシが、ヒロインになることはそんなに許されないか?

悲劇のヒロインぶってる訳じゃない。

でもアタシが

ヒロインになることはそんなにいけないこと?


こんなアタシが夢見ちゃいけませんか。

こんなアタシが愛されちゃいけませんか。

こんなアタシは、

存在することさえも許されませんか?



アタシみたいな負の感情の塊を。





『…シンデレラ』


『好きだよ』

私は皆に愛された。

でもアタシは、誰にも愛されなかった。

アタシを愛してくれたのはアリスだけ。


アリス以外の人にに愛されて嬉しかった。


裏のアタシにやっと光がさしたんだ。



そんなアタシの幸せも、奪ってしまうの?
奪うの?
壊すの?














神様なんて本当にいるのかな。












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