不思議の国のお伽噺。
『この店の名前は、メロヘンよ!!』
『…?メ、メロヘン?』
一瞬、その場の空気が固まった。
しかし、オサナイワタシは笑顔。
…これ、マジで言ってんの?
てんちょーは、頬を掻いた。
『メルヘンじゃ、なくて?』
『メロヘンよ!お母様はメロヘンって言ってたわ!』
…、これは、貴族独自のイントネーションか?
てんちょーは、こらえきれずに噴だした。
『はははははははは!!
はははっ!メロヘン?メルヘンでしょ!!
あははっははははは!!』
『なっ!?
じゃ、じゃあ変えるわよ!!!』
腹を抱えて笑い出したてんちょー。
オサナイワタシは、顔を真っ赤にしてそむける。
『いいよいいよ、メロヘンで!
繁盛しそうだ!
ははは!』
『…絶対馬鹿にしてるわよね…』
最後にてんちょーの笑顔と、優しい声が耳に届いた。
『僕は、いつでもアリスの味方だから!』
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