不思議の国のお伽噺。
『あれから、逆らえない。
逆らったら、殺される。
仕事をしくじったら、クスリを使われるんだ…』
…なんて酷いんだろう。
アリスは、自分が知らない間に町でそんなことが起こっていたのか、と、自分の不甲斐なさに頭を抱えた。
時期王女なのに…、町のことなんてなんもわかってない、最低じゃないか。
『…、私、貴方を信じるわ』
『え?』
『貴方も、私を、信じなさい
私が、貴方を救うから』
彼にソファを貸し、とりあえず寝かした。
アリスは、これから自分が起こすことの計画を、頭に思い描いた。
『ママ、パパ、話があるわ』
『どうしたの、アリス?』
『いつになく真剣な顔で…、恋でもしたのか?』
ハハハと笑う父。
アリスは下を向いたまま、顔を上げない。
父、基国王は、笑いをやめ、アリスを見据えた。
『どうしたんだ?』
『お願い!!!!!!!!!!
大きな、大きな孤児院を作ってほしいの!!!!!
国が経営する、大きな孤児院を!!!!!!』
『…それはまた、どうして』
『私、小耳に挟んだ話があるの』
それから、あのシルクハットの子がした話をした。
もちろん、彼のことはふせて。
『いいだろう』
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