不思議の国のお伽噺。
『あたし、最近お腹すかないの』
『『『『『え』』』』』
みんな目を見開き、こちらを見た。
アリスは下を向き、なにも言わない。
『アリス…わらわの饅頭でいいならやるぞ?少しは食わないと、倒れてしまう…』
心配そうなかぐやをよそに、私は不敵に笑った。
『ねぇ、私とゲームしよう』
…そこから、記憶が流れてくることはなかった。
大切な記憶が、何か抜けている。
大切な、アナタの記憶が。
だけど、誰の記憶か分からない。
思い出さなきゃいけないことがあるというのは分かるのに…
私は何を思い出せばいいのか、分からなかった
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