不思議の国のお伽噺。

sp.1 私の涙と頭の靄。





ゆっくりと、目を覚ますと、そこはログハウスの中だった。

チェシャ猫の作ったおうちかな。


そんなこと考えながら、ゆっくりベッドから降りた。




「あ、アリス。

よく寝てたね」


「おはよう…」



…なんだろう、記憶の中で泣きすぎたせいかな、頭がガンガンする。



「それで」


「?」


「次は一体何を思い出したの?」


「今は…






友達の…記憶。」



「…そう」











それから、私たちの間に会話という会話はなかった。







「…ごめん、お風呂入ってくるね」


「うん」


雰囲気に耐え切れなくなった私は、お風呂場に入っていった。
















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