不思議の国のお伽噺。
「チェシャ猫…!!」
「アリ…!?」
名前を呼んで、振り返ってくれた瞬間に飛びついた。
髪の毛を解いていて、ソファの上で寛いでいたチェシャ猫に、飛び乗るように。
「ど、どうした…って、アリス泣いてる?」
「…っく…」
「どうしたの、また何か辛いことでも思い出し「ごめんねチェシャ猫…!」!」
「わたっし…!何も考えてなかった…!
勝手にやって、チェシャ猫苦しめた!
ごめん、ごめんね…!!」
チェシャ猫は、私の背中に手を回し、私の服をぎゅっとつかんだ。
「…ごめんね、ごめん…!
ごめん…でも…
大好きだよ、チェシャ猫…!」
「!」
顔は見えない。
私は肩に顔をうずめて泣いてるから。
「え…」
「私の何より大切な人…!
今まで、ここまで連れてきてくれてありがとう…!
一番…大好きだよ…
友達としても、何よりも…!」
「~!!!!!」
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