ただ一人、君を待つ。
出会い
「あっぢー」
中学・高校と仲のよい関ひとみが顔を手で仰ぎながら、言った。
「春なのになーんでこんなにあっついのかねぇ~。 そう思わない?? みやち」
「そうだねぇ」
金原 美也(カナハラミヤ)、
高校2年生になったばかり。
みんなからは、愛称として"みやち"と呼ばれていた。
あたしとひとみは1年生の後期期末テストで赤点を2つとり、こうして春休み、高校へと補習を受けにきていた。
今日の補習はもう終わりで、あたしとひとみは家路につこうと駅まで歩いている。
「ねぇみやち!」
「ん??」
「パーッと、遊びにいこうよ!」
「これから??」
「まだ3時だっつーの」
お金ないし、めんどくさいしで、行く気はなかったけど、ひとみが行く気満々だからあたしはちゃんとした返事はせずとりあえず駅へ向かって淡々と歩いていた。
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