ただ一人、君を待つ。



「まじかぁ。 もう終わり??」

「うん、帰るとこです」

「えっ、じゃあ遊ぼうよ」



煙草を吸いながら喋るもんだから、煙たくて煙たくて少し眉間にシワを寄せた。



「え~、どうする?? みやち」

「遠慮しときます」



ひとみはやっぱり遊ぶ気満々だったみたいだけど、あたしはめんどくさかったし、笑顔でそう言えば駅の中へと足を進めた。



「ばいばーい」



ヤンキーにそう言われ、あたしは軽く頭をさげた。 ひとみは不満な顔であたしに駆け寄ってきた。



「みやち、しらけ~! かっこいい人結構いたのにー」

「なんかあぶねぇ感じするし、めんどくさい」

「みやちのバカ~」



丁度駅にアナウンスが流れ、電車が到着しそうだった。

あたしはギャルバから定期を取り出そうとしゃがみこむと、目の前に足が見えた。



「は??」



あたしは条件反射的に声を出した。
見上げると、長髪金パの男があたしの前に突っ立っていた。



……さっきのヤンキーたちの1人??



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