ただ一人、君を待つ。



邪魔だな、と思いつつ定期を取り出し立ち上がると、そのヤンキーに肩をたたかれた。



「これ、俺のアドレス。 良かったらメールしてね。 ばいばーい」



その男はあたしのブラウスの胸ポケットにひときれの紙を入れると、走って駅から出ていってしまった。



…は?? なんだあいつ。



「ちょっとちょっとみやち~。 みやちだけずるーい」

「うっさいわ」



あたしは笑ってひとみの頭を軽く叩くと、駅員に定期を見せ到着した電車の中に乗り込んだ。



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