空に贈る言葉
「今日から2週間、この学校で実習をさせていただきます、佐々木健吾です。」

あ、佐々木健吾ね。

そういえば記憶の片隅にそんな名前があったな。



「精一杯頑張りたいと思います!よろしくお願いします!」


好青年だなー……


爽やかだし。

きらきらしてる。



「じゃー…佐々木先生に質問ある人!」

担任が言葉を言い終わる前に、彩が、はいはーい!!と勢いよく手を挙げた。



「すきな食べ物はなんですか!!」


小学生かよー

さすが彩!!

と、周りがざわめいている。


「すきな食べ物はですねー……白いご飯です!」


「あぁ!!だから歯が白いのか!」


なんだそれ。


教室が、どっ、と笑う。


つくづく彩は天才だなと思う。


「じゃあ、和んだところで次の質問。先生、ちゃんと答えてくださいね。」


彩は、メガネを掛けているわけでもないのに、顔の横でメガネをくいっと上げるフリをした。


「ずばり!!!!彼女いますか!!」


おー!!!!

いいぞー彩ー!!


教室のテンションは、最高潮に達している。


「えーっと……」


と、佐々木先生は後頭部を掻きながら言った。



「彼女はですねー……内緒です!」


えーっっ

おもしろくなーい

彩が、口を尖らせた



なんだそれ、ほとんどいるって言ってんじゃん。

佐々木先生、嘘つくの下手だな。



「他に質問はー…」


と言ったところで、LHR終了のチャイムが鳴った。



終わった終わった。

今日はいっぺん寝てから勉強するか…


と、帰ってからの予定を立てていたら


「ちょっと待った!!!!」


佐々木先生が帰ろうとするあたしたちを止めた。



「今日はこの後、体育祭の応援練習があります!!!」


そうだ、忘れてた。



えぇー!!

だるっ

めんどくさーい

と、みんなは文句を言いまくった。


すると、彩があたしに寄ってきてこう言った。



「ねー、実華。うちら何軍?」

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