僕は君を追う
「純!はよせんておいてくで~!」

教室移動は純と一緒にするようになった。
それと同時に由梨や浩平との会話が減ったのも事実だった。

「ちょ、あと10秒待ってやぁ!」
「ほんま、はよして!」

この頃からか、私は心の底から笑えるようになった気がした。
全ては純のお陰で。
純が私をどん底から救ってくれたんだ。

…でも、特別に好きという感情はなかった。
それはやっぱり翔ちゃんが居るから。
遠くに行ってしまった翔ちゃんだったけど、私の心にはいつまでも残っていた。

「はい、香奈枝行こう!」
「うん、行こう!」
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