僕は君を追う
「純、ごめんね…」
「香奈枝…」

私は純から目をそらした。
やっぱり翔ちゃんの顔が思い浮かぶ。

「でも純とはこれからも仲良くしたい」

私はニコッと笑った。

「香奈枝…どうしても無理?」
「どういうこと?」
「俺ならそいつを忘れさせれる…」
「純…」
「苦しめたり、辛い思いさせない…」

純が苦しそうな顔をした。
そんな純を見て、私の心が揺らぎ始めて…

「分かった、良いよ」

そう私は言った。
そして、それと同時にあることを決めた。

"キス以上のことはしない"

それが翔ちゃんに対する私なりのけじめでもあった。
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