僕は君を追う
でも俺は苦しい顔になってしまった。

「香奈枝、ごめん、本当に」
「ええよ、別に」

香奈枝は優しい笑顔で言った。

「ありがとう」
「でも…」
「でも?」
「これからも仲良く、して?」
「それだけ?」

俺は少し意地悪な笑顔になった。

あぁ、これだ。
この感じ。
最近すっかり忘れていたんだ。
なんだか居心地が良いな。
< 110 / 148 >

この作品をシェア

pagetop