僕は君を追う
「それだけって…」
「本当はもっと言いたいことあるんやろ?」
「…き」
「何?聞こえへんよ~」

本当は聞こえてたんだ。
でも…消え入るような声だったから、意地悪したんだ。

「~っ!翔ちゃんが好き!」

香奈枝は大声でそう叫んだ。

「俺も好きだから」
「えっ?」
「香奈枝が好きだよ」

ニコッと笑って言った。

「翔ちゃ~ん!」

そう言って香奈枝は俺に駆け寄ってきた。
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