僕は君を追う
俺はそんな香奈枝を抱きとめた。

「香奈枝…」
「翔ちゃん、好き!」
「うん、俺も」

俺たちは今までの時間を埋めるように抱き合った。

「なぁ、ひとつ聞いて良い?」
「何?」

俺は抱き合ったまま香奈枝に聞いた。

「何で学校で襲われた時、復讐したら怒ったん?」
「あぁ…前は男だったけど、今回は女やったでしょ?」
「うん」
「だから、話せば分かり合えたかなって」

全て納得できた。
香奈枝らしい考えだよな。
先走った俺もこれは悪かった。
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