僕は君を追う
香奈枝は少しビックリしてたけど、すぐに「ありがと」と言ってきた。

「じゃあほんまに帰るけど?」

俺は2歩ぐらい後ろを歩いている香奈枝の方を振り向いて聞いた。

「もうここまで来てまったんやから、後戻りなんてどーせ出来ひんやろ?」

香奈枝はニコッと笑った。

「せーかい」

俺はそう言って前に向き直った。
それを見るや否や香奈枝は俺の横に来た。
そっと俺は手を繋いだ。

「やっぱ翔ちゃんと手繋ぐと落ち着くなぁ」
「よぉ言うわ」

俺は鼻で笑った。

「翔ちゃんはこれから関西弁でしゃべるん?」
「香奈枝はどないするん?」
「関西弁にするかな~」
「じゃあ俺も」
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