僕は君を追う
今まで早く転校先に染まろうとして、関西弁を避けてた。
でも、香奈枝が関西弁に戻すって言うんやったら、関西弁に戻す。



「着いたー!」

それから色んな話をして俺たちは自分たちの家の前に着いた。

「ほな、香奈枝。おばさんたち心配してたんやから」
「うん。謝ってくる。…翔ちゃんも来て?」
「ええよ。一緒に行こ」

俺たちは香奈枝の家のインターホンを鳴らした。
すぐに玄関に飛び出してきたおばさんたち。
相当心配していたんだろう。
おばさんもおじさんも泣いていた。

「香奈枝…帰ってきてくれてありがとう」
「私こそ、出て行ってごめんね…」

そんな光景を見て、俺はそっと自分の家に入った。
家族の時間を邪魔してはいけないと思ったから。
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