僕は君を追う
「何余計なこと母さんに言うん?」
「別に良いやんか」

俺はそういう風にトゲのあるように言ったけど、香奈枝には効いてないらしい。

「まぁ良いけどさ」
「良いならそれで良し!」

香奈枝は俺の肩をポンッと叩いた。

「すっかり元気やな」
「大阪に居た時の私は私ちゃうし」
「なんやねん、それ」
「ええの、別に!」

すると香奈枝の動きが止まった。
-----学校に着いたのだった。

「大丈夫か、香奈枝」
「私、強くなるから」
「えっ?」
「強くなって、翔ちゃんの1歩でも2歩でも前を歩いてやる!」

そう言うと香奈枝は笑顔で校門をくぐった。
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